No.17
腸内環境
近年、腸内環境の話をよく聞きます。
一般的には、「腸内の細菌が身体に良いことをしているから大事」と認識されていますが、
実際は細菌だけでなく、腸内の細菌と腸細胞の協力関係が健康を作っています。
12世紀の神学者クレルヴォー「私たちは糞と尿の間から生まれる。」
生まれる前に人の身体の中には細菌は存在しません。ではどこで出会えるのでしょうか?
出生時のことを考えてみましょう。産道は細菌を取り込むためには理想的な位置にあり、母親の膣・腸・尿管・皮膚に通常いる細菌たちと確実に出会える場所になっています。また、新生児の口に共生細菌が入ると唾液あるいは乳と共に胃を通って腸に届き、細菌はヒト細胞と共存を始めます。
細菌と腸の関係性
腸内の共生細菌の役割は、消化しにくい食べ物をきれいに分解して栄養を吸収しやすくすることです。これに対して腸は、この共生細菌が住みやすいように場所や餌(細菌の食べ物)を提供しています。
少し細かい話をしていきましょう。腸の各部位によって必要とする細菌が異なります。細菌から出されるシグナルを腸細胞が受け取り、腸細胞が餌を出しますが、この時、ただ餌をばら撒くのではなく「餌を受け取れる酵素を持った細菌」にだけ餌を与えます。それと同時に好ましくない細菌を殺す分泌物も出します。これにより、腸の各部位は必要に応じた細菌が住みやすい環境を整えているのです。
さらに腸細胞自身も毛細血管網の働きを促すシグナルを自身に出して、栄養が滞らないようにします。これにより肝臓から全身へ栄養が送られます。
このように、腸内の細菌とヒトの腸はお互いに協力し合いながら共存してるのです。
※酵素の話はかなーり長くなるので省略
私たちに出来ること
・酵素をとったほうがいい!
・腸内細菌を増やそう!
ど、よく耳にしますがスーパーなどで流通している健康食品(ヨーグルトやキムチなどの発酵食品)はほぼ意味がないと言われています。
(食品衛生上、加熱しなければならず細菌自体が既に死んでしまっているから)
腸の状態が良い人にみられるのは、自分自身でヨーグルトや味噌・キムチなどの発酵食品や調味料を手作りしている人です。または手作り商品を買っている。
さらに、添加物の使われていない食品を摂取しているとなお良いでしょう。
添加物は腸に炎症を起こして腸の機能低下を引き起こします。
先程の話につなげでみると、身体に良い影響を与える細菌の住処である腸の環境が悪くなると、住処を失った細菌が減少してしまい必要な栄養素が摂取できなくなります。そうなると身体に栄養が行き渡らなくなり健康が保てなくなります。
できるだけオーガニックなものを!
出来るだけ無農薬で添加物が少ないものを選びましょう。
食品の裏に書かれている成分表を見てみてください、ほぼ分からない物だらけでしょう(私も全部は分かりません)。
分からないものを口にするのは怖くないですか?
スーパーフード
出来るだけ摂取した方が良いものを一覧にしておきます。
・ナッツ類
・緑の野菜
・生きたヨーグルト
・玄米、雑穀
・水(一番大事!!)
・オーガニック卵
これらはあくまで一部です。気になる方は自分の生活スタイルに合った食品を探して見てください。
オステオパスとして患者さんに出来ること。
まずは食事指導です。患者さんの生活スタイルを聞き、必要な話をします。いきなり全ての食事をオーガニックにすることはかなり難しいのでその人に合った方法を模索します。
次に、内臓器や筋骨格器系の治療を行います。
いくら良い食事をしても内臓自体や内臓周囲の血管や筋・腱膜組織が硬かったら効果が薄れます。(こちらが専門)
最後に。
化学物質まみれの現代で腸内環境を正常に保ち続けるのは困難でしょう。
ただし、人間が本来持つ生命力や健康を維持する能力を引き出していけば可能です。
そのためには適切な食事がとても大事になってきますし、オステオパシーによる効果も期待できます。
おしまい♪(´ε` )