vol.7
症例
不眠症 60代 女性
症状
入眠まで時間がかかる。朝方まで起きていることが多い。2〜3時間ほどで目が覚めてしまう。
考察
睡眠は様々な問題によって引き起こされます。症状で多くみられるパターンとしては、まず最初に持続した睡眠ができなくなり、その後に入眠困難が起こります。そして早朝からの異常な覚醒へと繋がっていきます。
これにより眠れないのではという不安を引き起こして抜け出しにくい負のサイクルになる傾向にあります。不眠が3週間以上続いたらその習慣が染みついてしまうため、不眠習慣を改善させるために具体的な行動が求められてきます。
この患者様のように交感神経が活発になったままだと入眠に至れません。まずは交感神経に関連した部位を施術して活動を抑制します。
今回は1度の治療で改善がみられましたが、基本的には数回の治療が必要です。負のサイクルが長期的になっている場合は、交感神経を抑制する治療を行った後に副交感神経を促進させるためにアロマオイルなどを使用することもあります。また生活習慣の改善を図る必要もあります。(表1)
生活習慣の改善に加えて、オステオパシー的な支援、アロマオイルによる効果などが加わると不眠症は改善されます。
表1
良い睡眠習慣
就寝時間によらず、毎日ほぼ同じ時間に起床する。 |
眠気を感じる時にだけ就寝する。 |
就寝前にリラックスできる儀式・ルーティンワークを確立する。 |
提起的に運動をし、活動的な状態を保つ。 |
決まった時間に食事をとり、定期的に明るい光にあたって概日周期に同調させる。 |
就寝時にカフエィン・ニコチン・アルコール、過度の暖かさ、空腹を避ける。 |
昼寝をする時は、毎日同じ時間に行う。 |
寝ようとして横になる時は、全身の筋肉、特に顔と顎の筋肉を弛緩させ、ゆっくりと均一な呼吸を行う。 |
20分経っても眠れない時は、もう一度起きて、眠くなってからベッドに戻る。 |